アップル社、回顧30年の点描
スティーブ・ジョブス(左)とジョン・スカリィ(John Sculley) |
当時は、大小企業の殆どは、まだ電気(または電子)タイプライターが全盛で、個人用(パーソナル)コンピューター(PC:パソコン)は普及していなかった。ごく一部の計算業務で、IBMのコンピューターを使い始めていた。このコンピューターのワープロ機能が認められるや、次の二、三年の間に、オフィスからタイプライターを駆逐してしまった。利点は、誤字の訂正、編集、変更などをスクリーン上で行い、完全な文章になってから印刷することで、能率が上がり、ムダが省けるようになった。
初期のロゴ、1999年まで |
1999年から現在までのロゴ |
その分野で遅れをとったIBM系のコンピューターが、失地挽回を目指して開発したのが『ウインドウズ(Windows)』で、グラフィックスの処理ができるようになった。だがこれはあくまでも従来のシステムを土台にしていたため、マッキントッシュの能力と比べると遥かに劣っていた。
1984年3月、本格的生産に入ったマッキントッシュ |
その市場シェアが逆転し、アップル社の独走態勢を決定的にしたのは、2000年代に入ってから、スマートフォン、アイフォン(iPhone®:スマホ:右の写真)やタブレット、アイパッド(iPad®)などを次々と発表し、その爆発的な人気以来である。1984年のマッキントッシュ発売以来、30年目の今日、アップル社は『世界で最も重要な企業の一つ』という評判を獲得した。
ジョブスの死後、かれの遺志を継いだ後継者が最近発表した高性能チップ『A7』を内臓したアイパッド・エア(The iPad Air)は、時代の最先端を行くタブレットである、とはアップル社の自賛する携帯用、驚異的な多機能をもつ最新製品だ。
そのアップル社について、あまり知られていない面の点描
創業者の主役、スティーブ・ジョブスの母は、ジョアン・シーブル(Joanne Schieble)、父はシリアからの留学生、アブダルファタァ・ジャンダリ(Abdulfattah Jandali)。二人がウイスコンシン大学の学生だった頃に恋仲となり、スティーブが生まれたが、1955年ジョブス家が養子として引き取った。
ニュートンとアップル |
当初、スティーブ・ジョブスは、むしろ『淡い灰色(moon grey)』を好んだが、イギリス人のデザイナー、ジョニィ・アイヴ(Jony Ive:右の写真)に説得されて『白』に傾いた。アイヴが『白』に魅了されたのはは、デザイン学生の頃からだったそうだ。
アップル社の製品はもとより、それを包装するパッケージングのデザイン制作には、計り知れない時間と知恵と労力を費やしている。完全な製品にふさわしい完全な包装を、というわけだ。確かに、そうした努力が、消費者に反映し、パッケージを開いて新製品を取り出す瞬間、神秘的な期待を持たせるという効果につながる。
最初のアップル・コンピューター、アップル・ワンの卸値が500ドル。スティーブ・ウォズニァクが、それに3分の1上乗せし、小売り価格を666.66ドルと割り出した。この数字がたまたま悪魔的な暗示をしていることが指摘されたが、同じキーが並んでいてタイプし易い、ということで収まった。
この『マッキントッシュ(Macintosh)』は当初、内部だけのコード名で、アップル社員で新製品開発部門にいたジェフ・ラスキン(Jef Raskin)が、彼の好物だったリンゴの一種を命名した。たまたま、イギリスのレコード会社にアップル・レコード社が存在し、1963年に初期のビートルスのアルバム、『ビートルズお目見え(Meet The Beatles)』を発行し、そのLPレコードのラベルには、マッキントッシュが占めいた(右の写真)。発想が類似していたので、商標登録に抵触せぬよう、スペルを少々変えた。一時、ステイーブ・ジョブスが『バイスクル(Bycicle)』を押したが、『マッキントシッュ』が最終製品名として残った。今日では『マック(Mac)』で通っている。
1967年当時、アップル社の共同創始者の一人だった『ウォズ』は、1987年に正社員から退いた。でも彼は未だに人事帳簿上、アップル社員として記載され、毎年12万ドルの恩賜金を受け取っている。
膵臓ガンで死の床にいたスティーブが最期に遺した言葉は、「オー、ワオ。オー、ワオ。オー、ワオ(Oh wow. Oh wow. Oh wow)」だった。これはスティーブの妹、モナ・シンプソン(Mona Simpson)が、スティーブを見守る近親たちの間で目撃し、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した彼女のスティーブ礼賛、弔文の一部にある。
理由は『迅速、安全』の二語に尽きる。特に中国で製造することが多いから、空輸だと米中間、15時間で届く。船便だとドックで待機する時間が永く、貴重な製品の安全が保証されていない。
こうしたウエブサイトや宣伝で見られるプロモーション用の写真は、コンピューターで作成したものではない。これらは、超高解像度の写真を拡大したものである。
-------------------------------------------------------------
高橋 経:以上、出典は news.com.au Wikipedia および New York Timesから
-------------------------------------------------------------
高橋 経:以上、出典は news.com.au Wikipedia および New York Timesから
私のコンピューター歴は、この30年と並行してきた。それだけに、個人的な思いも感慨深いものがある。言うまでもないが、私はマック一辺倒だ。
返信削除