2013年11月17日日曜日

町の壁画家たち、その3:ポーランド

以前、町のイタズラ描き(graffiti)をご紹介しました。忘れもしない1971年、ニューヨークからロサンゼルスに移り、1年後に所用でニューヨークに戻った時のことです。市内の至る所がスプレー缶のペイントで汚されていたのを見て、何とも言いようのない不快感を覚えたものでした。どこの誰とも知れない神出鬼没の自称アーティスト達が、主に公共の建造物から地下鉄の電車に至るまで、意味不明な単語を含め、塗りたくっていったのです。それはアッと言う間に、疫病の如く世界中に広がっていったのです。

いつしかこうした大都会の汚い現象が日常生活に定着し、人々は知らず知らずの内に受け入れてしまったようです。あれから半世紀近く、イタズラ描きは徐々に洗練された芸術に昇華してきました。巨大な壁は、画壇で認められることのない『町の壁画家( Street Artist)』たちにとって、またとないキャンバス、すなわちミケランジェロに挑戦できる発表の場になっています。

踊るキリスト』に続いて、今回はポーランドのバイアリーストック市(Bialystok, Poland)の一郭に出現した『町の人(the Folk on the Street)』シリーズの一作、『樹に水を注ぐ少女』をご紹介します。この壁画はグラフイック・デザイナーのナタリア・ラック(Natalia Rak)の作品です。編集:高橋 経

バイアリーストック市の一郭

足元に立つ町の画家達。『少女』の大きさを確認されたし。

『少女』のクローズアップ

1 件のコメント:

  1. 壁画の『少女』が実在の立ち木に水を注ぐ、なんて可愛い発想ですね。

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