2013年9月29日日曜日

夢の本棚、25種


電子書籍が話題になっている時代、その是非はさておいて、従来の紙製の書籍に愛着がある方々に独創的な本棚をご紹介します。実用的価値から検討すると大半の本棚は『造形』の遊びに過ぎません。でも、、、もし生活の空間に『遊びのムダ』があったらどうなるだろう、と考え方を変えてこの独創的な本棚を観察してみませんか。もしかしたら暮らしが楽しく豊かになるかも知れません。そうした思いを持ちながら観賞し、批判し、評価してみてください。---- 編集:高橋 経

『無限の書棚』Job Koelewijn 提供

『階段式書棚』apartment therapy 提供

『書棚付き椅子』Fishbol 提供

『終りなき書棚』Luca Nichetto and Andreoli 提供

『コンソール安楽書棚』Stanislav Katz 提供

『方程式カッコ書棚』Estudio Breder 提供

『アニメ書棚』Samulnoli 提供

『見えない書棚』pennys day book 提供

『逆さ書棚』Instructables 提供

『鼓動の書棚』Mans Salomonsen 提供

『伸縮自在の書棚』Arianna Vivenzio 提供

『ダマシ図書棚』Laughing Squid 提供

『受け止め書棚』Hafriko 提供
『輪型で移動する書棚』David Garcia Studio 提供

『ソファ付き回転書棚』Irina Zhdanova 提供

『書棚木』Kostas Sytariotis 提供 

『蜂の巣書棚』Chris Burns 提供

『読む書棚』mubarocks 提供

『アメリカ48州書棚』hi consumption 提供

『読んだ、と読む、書棚』ezguayaz 提供

『配水管書棚』Stella Bleu Designs 提供

『バランス書棚』Malagana 提供

『夢みる書棚』Dripta Design 提供

『ジグソゥ・パズル書棚』Dripta Design 提供

『本食い虫書棚』Kartell 提供

2013年9月20日金曜日

訃報:トヨタの豊田英二会長


ジェリー・ハーシュ(Jerry Hirsch)
2013年9月17日付け、ロサンゼルス・タイムズ紙より


豊田英二は豊田一族の一人で、トヨタ自動車の会長としてアメリカ市場の開発に積極的な努力を傾け、先鋒に立ち続けた。去る12日、100才の誕生日を祝った五日後の17日、心臓衰弱で亡くなった。英二は、トヨタ自動車の創立者豊田喜一郎(1894~1952)の従弟に当たる。

豊田英二は1913年9月12日、名古屋市で生まれた。東京帝国大学(現東大)で機械工学を専攻し1936年卒業、直後、豊田自動織機製作所に入社した。その一年後、新設して間もなかった傍系の自動車部門(現トヨタ自動車)に配属された。英二は短時日で自動車製造の工程を習得し、生産工程の計画を立てるなど、現場で先導的な立場で活躍した。

織機を発明し製造していた父平吉や伯父佐吉らが創始した豊田自動織機製作所の工場内で育った英二は、機械いじりが好きで熱中した。後年1999年、タイム紙のインタビューに当たって、彼は幼年期を回想し、「機械作りや事業の運営が身近にあった。だから幼い頃からその両方を自然に体得できたのであろう」と語っていた。

英二は幹部社員に昇進し、1945年までにはトヨタの重役となった。とはいえ、第二次大戦による空白時代があったので、1950年あたりまでは先ず企業の復興が急務であった。折しも英二はミシガン州ディアボーン(Dearborn)にあるフォード自動車の工場を見学する機会に恵まれた。この体験は英二にとってもトヨタ自動車にとっても大きな刺激となり、『生産性』、『欠陥車の回避』など自動車製造の根本から洗い直すきっかけとなった。

先のタイムズ紙のインタビューの中で
英二会長は、「トヨタでは一日に40台生産するのがやっとでしたが、フォードでは8,000台という、200倍もの膨大な生産量の開きがありました」と述懐していた。
英二は生産性の専門家オオノ・タイイチを顧問とし、トヨタ自動車の生産工程を根本から改善した。彼らは生産性の効率を高めるため、部品の仕入れを必要量だけに限定し、余分な在庫を減らした。この原則は、ひいては世界中の自動車会社で基本的な基準となった。

豊田
英二1960年、副社長に就任、その7年後には社長となった。彼はトヨタ自動車の責任者として生産とは別に販売と市場拡大という責務遂行の必要に迫られていた。一方で、後年世界のベストセラーとなる運命を担ったカローラ(Carolla)の開発も達成した。

フォルクスワーゲン
それに先立ち、1950年代の半ば、販売に力量をもった神谷正太郎をアメリカに派遣した。当時アメリカでの小型輸入車では、フォルクスワーゲン・ビートル(Volkswagen Beetle)が第一位を占めていた。神谷は帰国後、英二を補佐し、アメリカへの輸出を大目標に市場開発を始め、1958年8月までに輸出を開始した。その車種はクラウン、トヨペット(Crown Toyopet)で、アメリカの高速道路を走るには性能の低い劣性車だった。速度制限以下の時速100キロ走行でも、灼熱の砂漠でもエンジンが過熱する、というお粗末だった。結果として288台を売るのがやっとという惨状だった。

ランド・クルーサー
この失敗で、作戦を変更する必要に迫られた。英二の新作戦として、ジープのような野性的な車、ランド・クルーザー(Land Cruiser)を完成した。その作戦はコロナ(Corona)の完成まで続いた。コロナは依然として小型車だったが、トヨペットの汚名を雪ぐに値いするだけの性能を持っていたので、アメリカ市場で着々と市場を拡大していった。

カローラ、一時ノヴァだった
1960年代の終わり頃には、豊田英二が計画したカローラ(Carolla)作戦が功を奏し、アメリカ市場で「信頼性が高く」「価格が手頃で」「燃費が良い」車、という評判を獲得した。

1972年、トヨタ車のアメリカでの売り上げはフォルクスワーゲンを凌ぎ、念願の輸入車第一位を成し遂げた。今年は昨月までの8ヵ月間に、小型車、高級車を含め、トヨタ車は1,500万台を売り尽くした。それは全米市場の14パーセントを占める数字である。

1973年、第一次のオイルショックで、アメリカの消費者が挙って『経済燃費車』に注目し始め、アメリカの三大自動車会社はあわてて経済小型車を生産し始めた。フォードのフォーカス(Ford Focus)、シボレーのクルツ(Chevrolet Cruz)、ダッジのダート(Dodge Dart)などが輸入車への対抗車であった。
(左らら)シボレー、クルツ;ダッジ、ダート;フォード、フォーカス


1985年4月13日:トヨタ自動車の豊田英二会長(写真の右)とGM会長のロジャー・スミス(Roger B. Smith)が合意し、両社で4億ドル出資し、カリフォルニア州フレモント市(Fremont)にユナイテッド・モーター・マヌファクチュア・インク(the new United Motor Manufacturing Inc.,)なる合併会社を新設した。発足の新車はカローラで、シボレー・ブランドで『ノヴァ(Nova)』と命名された。この新事業は順調に発展したが、2010年、不況によるGMの倒産騒ぎのあおりで閉鎖され、テスラ自動車(Tesla Motors)が引き取った。

レクサス
一般に、経済小型車というイメージを持つ日本車には、高級車というイメージは似合わない、という通説があったが、英二はそれに反発するかのように、大型の高級車の製造を推進し、1989年にはレクサス(Lexus)が誕生した。彼は、レクサスにドイツ製のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)や、BMWと対抗させる意気込みを持っていた。今日、その計画は達成されたようだ。

豊田英二会長は1994年に現役から引退した。彼の息子二人と娘一人は共にトヨタ自動車系の企業で働いている。故人の希望で、葬式は家族内で行うとのことである。

2013年9月14日土曜日

味覚の秋、味覚の話

味覚の話

志知 均(しち ひとし)
2013年9月

JAL Pakのカタログから、松茸の香りと味覚
まだ残暑は続くが暦は九月。草むらにすだく虫の音も一段と高くなったようで夏の終わりを実感する。実りの秋も近くなり食卓にあふれる季節の味を満喫するのが楽しみである。その楽しみに大きな役割を果たしているのが『味覚』なのだが、味覚はおいしいものを楽しむためだけにあると思うのは実はとんでもない誤解なのだ。味覚細胞(taste buds)は食べものの味を感じさせてくれるだけでなく、われわれの体を守る役割をしてくれている。この小文でそれについて少し説明してみたい。

(左から)甘味、旨味、苦味、塩味
まず、味覚について判っていることを簡単に述べる。食べものの味は舌や口蓋や喉の表面にある味覚細胞の受容器を通して感じるが、視覚、聴覚など他の感覚に比べてまだ判らないことが多い。たとえば日本食特有の味として登場した『旨味(うまみ)』が塩味(しおあじ)、甘味(あまみ)、苦味(にがみ)、酸味(さんみ)など、従来よく知られている味とは異なる味と認められたのは2000年代である。日本語でも「うまい」と「あまい」は長い間同じ意味で使われてきたから、味覚研究者の間に混乱があったのも致し方ない。脂肪の多い霜降り肉のステーキや、トロの刺身の旨さ(うまさ)(あぶら)の味のせいだが、『あぶら味』に対する味覚受容体は存在するようだがまだ確認されていない。

味を認識するメカニズムについて述べると、『塩味』は、味覚細胞の表面にあるナトリウム・チャンネル(流入孔)で、『酸味』はプロトン・チャンネルで捕え、神経束を経て情報が大脳へ送られる。『甘味』、『旨味』、『苦味』はそれぞれ異なる味覚受容器を介して捕えられる。それぞれの味物質を結合した受容器は細胞内へのナトリウム流入を増加し、その結果、ATP(通常はエネルギー源として働くが、この場合は神経伝達物質として働く)を細胞外へ放出し、近くにある神経細胞束を刺激して情報を大脳へ送る。最終的に味覚を成立させるのは大脳である。

味覚は生存に必要な栄養素を感知するために進化と共に発達した感覚である。舌に心地よい『甘味』はエネルギー源となる(炭水化物)を感知するためであるし、『旨味』はタンパク質を作るためのアミノ酸(MSGはその一つ)を、『塩味』はナトリウムやカルシウムなどの無機塩類の存在を知るためである。『苦味』は栄養素よりも毒素を感知する味覚でこれについては後述する。

舌の役割
上に述べたように味覚は舌や喉にある味覚受容細胞を通して感知するが、驚いたことにこれらの味覚細胞は胃や腸の中にも、また肺へ空気を送る気道などにも存在することが最近の研究から判ってきた。ただし大脳へ味情報として伝えないので、消化系や気道を通して『』を感じることはない。では何のために存在するのか?ひと言でいえば身体を守るためである。

例をあげよう。腸管に入った食べものを消化してできるグルコース(glucose)が『甘味受容器』をもつ腸細胞(enteroendocrine cellと呼ばれる)に結合すると、受容器は細胞表面近くにグルコース運搬分子を集め、細胞内へのグルコースの取り込みを促進する。また同時にグルカゴン類似のホルモンを放出して、膵臓からのインシュリン分泌を促す。こうして消化のホメオスタシスが保たれる。もうひとつ例をあげよう。苦味成分を含む食べものの一部が気道に入ると、それを結合した『苦味受容器』は肺表面にある鞭毛細胞を刺激して鞭毛運動を高めるので、咳や喉つまりを惹き起こす。苦いものが口に入ると吐き出すように、『苦味受容器』は体内でも有毒物質に対する警報を発する。たとえば腸の苦味受容器が、苦味物資を感知すると、それが吸収されないよう下痢を惹き起こしたりする(一種の食中毒症状)

味覚を知る細胞『味蕾(みらい)』
一般に『苦味』や『塩味』は『甘味』や『旨味』に比べて喜ばれない。しかし進化の過程で生存のためにはこちらのほうが重要だったかもしれない。ヒトも動物も(ツチ)、特に粘土性のツチを長年食べてきた(geophagiaと呼ばれる)。アフリカの高地に住むゴリラは、大気の酸素濃度が低いので、増血のため鉄分の多いツチを食べるし、象、チンパンジー、蝙蝠(コウモリ)などは粘土を食べてナトリウムを補う、精神病医はヒトがツチを食べるのは、一種の異食症(pica)だというが、必ずしもそうではなく、無機栄養素(カルシウム、ナトリウム、鉄など)や、『解毒剤(げどくざい)』を摂取する為の正常行為の場合もある。


味蕾の拡大
アメリカン・インデアンはドングリや馬鈴薯料理の『酸味(さんみ)』や『渋味(しぶみ)』を和らげるために、少量の粘土を入れるそうだが、これは解毒も兼ねている。アフリカやアメリカ南部の黒人女性が妊娠のつわりを軽くするため粘土を食べることが知られている。粘土には食べものの中の毒成分を解毒するだけでなく、大腸菌やコレラ菌などから胎児を守る効果があるという。消化系疾患でツチを食べさせることは、実は近代医学でもやっている。例えば、われわれは粘土に含まれるカオリン(kaolin)に注目して開発されたカオペクテート(kaopectate)や、合成品のビスマス/サルチル酸(Pepto-Bismolの主成分)を下痢や消化不良の時に服用する。

味覚の話なのでおいしい話を期待された方々は最後はツチを食べる話になったのでがっかりされたかもしれない。(しかし『うまい話』は怪しいことが多いのでは?)

東洋医学に「医食同源」という言葉がある。病気の治療も食事をとるのも健康を保つためのもので根源は同じ、という意味である。ある人にとって料理が薄味であってもほかの人には味が濃いことがあるように味の感じ方は人によって異なる。つまり味覚はかなり主観的な感覚である。

「医食同源」が意味する健康を保つための食べ方とは、味覚の誘惑に負けない食べ方ではないだろうか? そんなことを心に留めて「食欲の秋」を満喫されたい。








2013年9月10日火曜日

日本版、携帯電話用社交アプの野望


エリック・ファナァ(Eric Pfanner)
2013年9月5日、NYT掲載の記事から抄訳
(写真版権は全てNYTが所有)

東京発:伝統的な日本の社交は、出会いに頭を下げてお辞儀をすることから始まる。握手をする習慣はない。だが今日では、何百万人の人々がスマートフォン(Smartphone: 日本の利用者は『スマホ』と呼んでいるようだ)を使って社交をしている。その仲介を務めているのは、二年前に発足したライン(Line)』という社交アプリケーションで、それを通じて情報や他愛のないスティッカーを送ったり、友人とゲームを楽しむことができる。今日その利用者はアジアで2億3千万人に及ぶ。この数字は、世界一を誇る『フェィスブック(facebook)』が5年かかって到達した普及率である。

しかし、ラインはまだアメリカには上陸していない。だから、この南朝鮮に本社があるNHNコーポレーションの子会社である『ライン』社の名は、殆どのアメリカ人は聞いたことがない。
ラインは、アジアや、ヨーロッパと南米の一部における何億人というスマートフォンの利用者にフェスブックツイッター(Twitter)が独占的に普及している市場に参入させようとしている。『ライン』は、日本での熱狂的な人気の波に乗って、利用者数をさらに拡大し、終局的にはアジアから生まれた最初で最大の世界的社交サイト網にまで成長させようという野望を持ち始めた。

ライン社製のゲーム・アプリケーションを説明する幹部のマスダ・ジュン
ライン社は、世界一の雑踏で有名な東京渋谷の大横断歩道を見下ろす高層ビルの27階に本社を置いている。その事務所で、モリカワ・アキラ社長(漢字不明)は、「ラインを万国共通語の媒体に変身させる計画です。すなわち、フェィスブックグーグル(Google)を凌いで、オンライン・サービスで世界一になることです」とその抱負を語った。今のところラインは、フェィスブックの膨大な利用者数に比べたらまだ足下にも及ばないが同社の急成長ぶりから考えると、その抱負は実現の可能性を秘めている。
(訳注:アップルのコンピューター、アイフォーン(iPhone)、アイパッド(iPad)には数年前から100カ国語余りの言語が内蔵され、使用者が必要な言語を選択して実用できる。)

現行のインターネットの巨大会社を相手にした場合、ラインの見逃せない利点は、発足当初からスマートフォンを対象として重点的に創作されている点である。言い換えると、従来のアプリケーションは、コンピューターが起点となっているので、スマートフォンで利用する場合は一段階余分なアプリケーションが必要であった。

フェイスブックを創始したマーク・ズッカバーグ会長(Mark Zuckerberg)は、それについて妹のランディ(Randi)に相談した。彼女は最近訪日し、東京で「カッコいい若者たちが、皆ラインを利用している」ことをつぶさに見聞してきたからだ。

会社員のスズキ・ノリコ(22才:漢字不明、左の写真)もその『カッコいい』娘の一人である。彼女は、ラインを利用し、日に約50通のメッセージを発信している。内容は業務用のリポートから、休暇の話題、昼食メニューの写真に至るまで雑多である。
通信には、しばしばデジタル『スティッカー(Sticker)上掲のスマートフォンを参照を添付する。それは、おどけた熊とか、醜いウサギとか、他愛のないマンガだが、それで言葉では言い表しにくい感情を伝えることができる。ノリコ嬢は、「その方が、腹立たしいとか、幸せがイッパイとか、泣きたいほど悲しい、といった感情が素直に出せるんです」と告白している。ラインは、そうしたスティッカーの数々を用意している。その他に、例えば『キティちゃん』のような人気キャラクターも利用されている。
ライン社の統計によると、そうしたスティッカーは日に10億回も利用されているという。こうした習癖はアメリカにも波及し、ボチボチ利用されるようになっているようだ。
「こうした戦略はバカにできません。トップに立つフェィスブックも油断せず、このような他愛のない戦略サービスを考え直したらいいと思います」と語るのは、電信コミュニケーション調査専門(Telecommunication Research Division)、オヴァム社(Ovum)の市場分析家ネハ・ダァリア(Neha Dharia)。社交サイトの急成長の結果、電信、電話など電信コミュニケーションの企業は、今年だけで320億ドルもの減収という憂き目にあっている。
スティッカーは、ライン社が立てた戦略のホンの一部でしかない。40種一組のスティッカーは僅か170円だが、これがライン社に月100億円の収入をもたらす。社交サイトは、更に広い分野を開拓し、映画演劇など芸能分野にまで広げる土台として普及することは必至である。
ゲームのソフトは、ライン社では最大の収入源で、月に250億円の売り上げがあり、同社の全収益の約半分を上回っている。ゲームは、ほんの一年前に始めたばかりだが、既成の『ライン・ポップ(Line Pop)』とか『ライン・バブル(Line Bubble)』などのアプリケーションは、グーグル・プレィ(Google Play)アップル社のアップ・ストア(App Store)などで売られ、アメリカの市場では上位10位内のベストセラーに登場している。
ライン社がアメリカ市場に食い込む上での隘路は、日本や朝鮮で受けているセンスがアメリカで通用するかどうかの可能性が未知であることだ。例えば、『絵文字(emojiとしてアメリカで通用)』が最近流行の兆しをみせているが、日本の若者たちが感じる『カワいい』イメージが、どこまで普及するかは疑問である。

携帯電話査定機関(Mobile Measurement Firm)オナヴォ(Onavo)社の報告によると、日本国内で使われているアイフォン(アップル製)の71パーセントが、アメリカでは1パーセントがラインを利用しているとのことだ。フェィスブックの12パーセントに比べると微々たるものだ。

ライン社の幹部たちはアメリカ市場へ参入するについて、競合する独占的なアプリケーションがないという理由で楽観的な観測をしている。その上で、市場開拓に当たって、(名前は明かせないが、、、)アメリカの人気スターを宣伝に起用すべく交渉中だということだ。
ジーニィ・ハン嬢(左)とモリカワ・アキラ社長
現にライン社では昨年、アメリカ上陸に先駆け、試験的にパラマウント映画の元幹部、ジィニー・ハン(Jeanie Han)嬢を代弁者として起用し、ヨーロッパと南米の市場開拓の宣伝を行った。ハン嬢は、スペインの実験市場の増進について指摘していた。オナヴォ社の調査によると、40パーセント以上のアイフォン使用者がラインを購入し組み込んだと報告している。ライン社はこれを踏み台とし、南米やヨーロッパ市場を席巻する構えだ。その手始めとして先週、バルセロナのサッカー選手一人一人の肖像を描いたスティッカーを発売する計画を発表した。
ハン嬢は、「スペインでの成功は幸先が良いですね。ラインが欧米文化に溶け込めるという前例を作ったわけです」と喜んでいた。
また、ライン社の幹部によると、インターネット利用者の間で最近問題になっているプライバシーの保護について対策を立てているそうだ。ライン社は加入者の姓名は問わず、仮名で登録させることにしている。また、従来のサイトのような『公開』を避け、社交は個人レベル内で行うようにしている、とのことだ。
モリカワ社長は、「利用者の皆さんに不安感を与えないことが我々のサービス精神で、有意義な体験を味わっていただきたいのです」と語った。

2013年9月4日水曜日

踊るキリスト


はじめに:以前、このブログで『街の落書き』についてご紹介した。あの当時は、意味不明な文字やマンガをスプレー缶のペンキで、公共の建造物に塗りたくっていたものが主体だった。『画家』は夜盗の如く、神出鬼没でその筋の目を逃れて描きまくっていたものだった。だが最近では、技術的に優れた画家たちが慎重に計画を立て、街の美観を損なわないような傑作を発表している。私の手許には、そうした『アート』が大分溜まってきたので、徐々に公開する予定である。ご期待あれ。編集:高橋 経

踊るキリスト

ロバート・ミィキン(Robert Meakin)

イギリス南西部にある、ブリストル市(City of Bristol)の文化財産が一つ増えた。それは身長8メートル半に及ぶジーザス・キリストがブレィク・ダンスを踊っている瞬間を捉えた肖像の壁画が除幕された日以来のことである。


2004年に遡る。その肖像画家はコスモ・サァソン(Cosmo Sarson)、当時のローマ法王ジョン・ポゥル二世が、ヴァチカンで公演されたブレィク・ダンスを観て感銘したという逸話に刺激された、ということだ。その時、法王が「キリストがブレィク・ダンスを踊っている大肖像が欲しい」と言ったかどうかは確かではない。

この壁画は、ストークのクロフト地区(the Stoke’s Croft area)にあり、その向かい側には、地方の英雄バンクシィ(Banksy)の有名な『優しい優しい西部=Mild Mild West (荒々しい西部=Wild Wild West: をもじった)』に面している。

市民の一人が、「ブレィク・ダンスは良く描けているが、私はキリストが水の上を歩いたという伝説の方が信じられる」と漏らしていた。

投稿のおすすめ:長月

ミシガン州中北部で最大、全長30センチ余りのキツツキ


題材
見逃せない話題、役に立つ話題、為になる話題、知られていない話題、ユーモラスな話題、珍しい話題、批判したい話題、忘れられない話題など、、、
  •  治、経済、産業、環境問題、でも。
  • 文化、歴史、美術、音楽、文学、詩歌、芸能、でも。
  • 科学、宇宙、考古、ハイテク、でも。
  • 生活に関する情報、買い物、日常の知恵、でも。
  • 健康、医療、食事、運動、でも。
  • 宗教、精神向上、自己修養、思想、でも。
  • 趣味、娯楽、スポーツ、園芸、手芸、旅行、でも。
  • その他、道義に反すると思われるもの以外、読者に精神的な霊感的刺激を与える題材なら何でも掲載いた しま す。掲載された記事に対する賛成論、反対論、意見など も、妥当な限り公開いたします。

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